ベンチャーサラリーマン時代に学んだこと

私が経営者としてなんとかやっていけているのは、サラリーマン時代の経験があったからこそです。

様々な修羅場を潜り抜けながらメンタルを鍛え、他社で培った自信があったからこそ、へこたれずにやってこれました。

新卒から家業に入り、祖父や古参社員の言いなりになるようなヘタレでは、経営者として務まらなかったでしょう。

ここでは、サラリーマン時代に学んだことがどう経営者として活きていったのかをまとめてみます。

マーケティングリサーチ会社で学んだこと

2012年4月。新入社員代表として答辞を読むことから私の社会人生活が始まりました。

私が常に意識していたことは、「コンペ常勝」と「顧客満足」で、レスポンススピードとアウトプットの質に特にこだわりました。

退職する最後の半年には社内最速で目標達成(個人)、新規顧客口座・窓口開拓数で社内トップ(個人)、稼働窓口数で社内2位(個人)、全社で唯一目標達成(チーム)と、チームや上司にも恵まれました。

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【概要】シンクタンク、コンサル会社、大手事業会社(大手おもちゃメーカー・住宅情報サイト企業・健康食品通販会社)を中心に市場調査の提案営業。

【業務】調査企画・調査設計の提案と実行・集計分析業務。外注先の選定・折衝など含む大型プロジェクト推進。

【顧客】既存顧客90% 新規開拓10%

【担当社数】100社程度

【個人売上】約1000万円/月

超高速OJT

新卒のOJTがテレアポ・営業同行で3か月100商談することでした。

1日3商談ペースです。かなり大変でしたが、いろいろな先輩の商談を見せてもらいながら、商慣習や言い回しなどを覚えていきました。

社内で座学をやるよりも、実戦経験を疑似的に積ませる。

結果、これが最短だったのだと思います。

敬語と言い回し

新卒時代は敬語もおぼつかないような若造でした。

お客様に失礼のないよう、信頼を得るための言葉遣いは非常に重要です。

ベテランになればフランクな営業態度も通用しますが、若手の頃はいかにちゃんとしていると思ってもらえるかを意識していました。

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量質転化

私が入社したのはバリバリのベンチャー企業で、売上成績が上がるにつれて「キリがない」仕事がどんどん舞い込み、毎日23-24時(終電)まで働くことが当たり前。

業務量が多くて終わらない・・・!という環境でした。

「ベンチャー企業は成長できる」

と言いますが、他社より毎日4時間長く働いたら、単純計算で4時間×230日=920時間÷8時間で115日分多く働くことになります。

約半年分多く成長できているはずですね。(げっそり)

量をこなす中で様々な案件に携われますから、当然アウトプットの質も向上していきました。

これを同期内では皮肉を込めて

「プライベートの犠牲の上に成り立っている優秀」

と呼んでいましたが、日々行動量あげて、忙しい中でミスなく丁寧にスピード対応して、他社の営業より少しでも安くして、という業務処理を行っていく中で仕事のキャパシティがグングンあがっていきました。

過去のSNS遡ると、当時私が苦しんでいたのがすごくわかりますが、1年で1.5年分の経験を積むイメージで成長を実感できました。

私は、量をやることでしか質も上がらない、と今でも思っています。

度胸と対応力

新規営業はテレアポと飛び込み営業メインなので、最初はビビってましたが、慣れてくると息をするように出来るようになりました。

なんなら、街を歩きながら

「あれ、なんかここ営業できそうだな」

と思えるようになってきます。

飛び込み営業だろうが、商談相手が社長だろうが物怖じしなくなったことは、経営者になってからとても役に立っています。

ブラフで平静を装うということではなく、場慣れによる対応力が最短で身につきました。

矢面(フロント)に立つ

自分のせいでなくても、トラブル時に責任取って謝罪しに行くのは営業の仕事です。これは経営者になっても同じですね。

トラブルにならないために、「社内に丸投げしない」ことの大切さを学びました。

経営者になると、専門外でも自分でチェックできる最低限の知識が必要になります。

川上から川下までわかっている経営者は強いです。

資料の作成者が自分でない場合でも、最後にお客さんに提出する成果物はフロント営業の責任下において、きちんと目を通しておく必要性を感じました。

お客様と同化する

プロとして自身の業務領域について知識武装することは基本ですが、クライアント担当者とパートナー関係を築くために、お客様側の商品CMや関連番組を毎週録画して見たり、売り場に行ってどんな商品がどのような売り文句で並べられているのか確認したりしていました。

お客様は自分の担当商品のことばっかり考えているわけで、同レベルとまではいかないまでも、感覚を出来る限り近づけることで、深い会話をすることができます。

お客様目線を超えて、お客様と同化するというイメージです。

自社サービスと競合他社との違いなどを明確にして、「お客様が求めていること」と「こちらから提供できること」に認識の齟齬がないかを確認しながら、納品まで間違いなく仕事を進めることで、お客様の満足感と安心感を得ることに注力しました。

そういった取り組みの中で、お客様からリピートを頂き、他の担当者を紹介していただきました。

「えっ一年目なんですか!?もっとキャリアの長い方かと思いました!」

「藤田さん、もし今の会社やめたらうちに来てくださいよ!」

と言われた時はやはり格別に嬉しかったものです。

指名が増えると忙しすぎて死にそうになっていましたが、頑張りたいと思えるお客さんのために頑張れたことをよく覚えています。

提案の幅を広く持つ

市場調査は無形商材となるため、お客様のニーズに対してどのような調査設計・企画提案を行うのが最適かを常に考えていました。

そのため、お客様の要望に対して社内完結で対応できない場合にも、自身で外注先を探して選定し、新規外注先の利用を社内説得したうえでソリューションとして提供しました。

それにより、今まであまりご相談いただけていなかったコンサルティングファーム様に対して突破口を開くことができ、結果として包括的年間契約のお話を頂くことができました。

成功事例を作った後は、積極的に社内へ情報発信し、いままで拾えていなかった案件を営業部全体として拾えるようにしました。(他の営業マンが活用していたかどうかは定かではないですが・・・)

提案の幅を広く持てば受注率が飛躍的にアップさせることができます。

1つのサービスしか提案できない人と、100個のサービスを提案できる人では、営業効率が全く違います。(扱いこなせる能力が必要ですが)

社内・社外折衝力

業務プロセスとして、いくつかの部門にまたがって案件を進める必要があり、営業活動とは別に、予算交渉・スケジュール調整・情報共有・進捗管理など、月20-30本の案件のプロジェクトマネジメントのようなことをする必要がありました。

その中で、社内やお客様へ交渉しながら企画設計・実査・納品・請求までの一連の商流を学ぶことができました。

大きな提案の際には上席に同行をお願いしたり、組織として取り組む姿勢を示したりすることで、顧客からの信頼を得るような「見せ方」にも工夫していました。

経営者としての考え方

ビジネスにおいては、1番と2番手だけにしか意味がない。3番手以下は競争力を発揮できないから潰れていく。なんでもいいから1番になっておくことが重要。

ライフもワークも、付き合う対象が人間であることに変わりはない。だから、仕事もプライベートも人間としての総合経験値で闘っているということを認識すべき。分けること自体がナンセンス。

会社は人を縛れない。人は自分の為に生きている。個人の自己実現欲求を、一つの会社内で完結させるためには、会社の規模を大きくし続けるしかない。

この仕事で10年分の経験を積むのか、1年分の仕事を10回繰り返すのか、見極めないといけない。

社長の話を聞く機会が何回かあり、こんなことを言っていたのをよく覚えています。(というかメモしていました。)

「お客様と同化する」の項目でも書いた通り、

お客様側の商品CMや関連番組を毎週録画して見たり、売り場に行ってどんな商品がどのような売り文句で並べられているのか確認したりしていました。

常に自分の仕事と生活を紐づけ、生活の中でインプットすると、仕事中のアウトプットがとても楽でした。

経営者も、仕事とプライベートに境界がないので、その練習にはなっていたと思います。

もちろん、同意できる部分とできない部分があるのですが、経営者の言葉を直に聞く機会があったことに感謝しています。


上記のように、たくさんのことを学び、自分自身が思い描いていた仕事に従事することができました。

新卒からマーケティングの仕事ができてよかったですし、たくさん成長出来て感謝しています。同期もみんなキャリアアップして活躍していますから、同じ気持ちでしょう。

ただし、市場調査業の限界として、リサーチデータを提供するところまでが業務範囲となり、そのデータをお客様がどのように活用するかまでは踏み込めない領域となっていることに歯がゆさを感じていました。

お客さまに対してもっと提案の幅を広げてお役に立ちたい、という思いが強くなり、プロモーションの領域に進むことになります。

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私が新卒採用サイトに載ったときの記事があったので、参考まで。

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