経営者になるために必要な心構え

ここでは、私の経営者としての経験から、経営者にとってどういった心構えが必要なのかをまとめています。

私の経験に基づいているので、「どんな会社でもこれが正解!」というわけではないと思いますが、少なくとも自分の後継者に求める心構えであることは間違いありません。

経営者に求められる5つの資質についてはこちらをどうぞ↓

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経営者はゴールではない

社長というと、すごろくのゴールのように感じますが、実際にはより難しいステージのスタート地点に立っただけにすぎません。

経営者が失脚しているニュース等を見ると、いくら経営者まで成り上がっても、トラブル時の対応ミス一つが命取りになることが分かるはずです。

取締役というのは雇用契約ではなく委任契約のため、株主がその気になればすぐクビにされます。

さらに経営者としての失敗により、ネットが炎上する可能性もありますし、名前が公に記録されてしまうため、再就職も困難です。

慎ましく生きていくことができなくなるリスクを許容し、有名税を払う覚悟や矢面に立つ勇気が試されます。

経営者はゴールではなく、

責任MAX! 収入MAX! 求められる業務レベルMAX!

の、お仕事なのです。

2019年7月に、吉本興業の社長が失態を犯しましたが、まさにすごろくの最後が社長だと勘違いして、社長に昇進したあとに経営の勉強をサボっていたのだろうな、と感じました。

もともとダウンタウンさんのマネージャーだったらしいのですが、マネージャーと経営者では必要な能力が全く違います。

経営者としての研鑽をせずに経営をすることは、まったくの素人が飛行機の操縦をするようなもので、墜落することは必至です。

東洋経済オンライン

7月22日行われた吉本興業・岡本昭彦社長の会見をほんの数分でも見た人は、「この社長で大丈夫?」と思ったのではないでしょう…

経営者が経営者足りうるためには、

「自分が社員の叶えたい未来を最も実現できる人間だ」と確信できなければなりません。

その全責任を負って上に立つ覚悟と自信がなければ、仮に運命の悪戯で昇格しても、やがて自身の奢りと怠慢で引き摺り下ろされます。

世の中うまくできています。

経営者は投資家

私が経営者になって感じたのは、「経営者は投資家」だということです。

設備も、採用も、育成も、広告もすべて未来のための投資ですよね。

  • 現在持っている経営資源(ヒト、カネ、モノ、情報)を把握する。
  • 費用対効果を考え、最大限のリターンが得られるポイントに経営資源を投下する。
  • 無駄な経費を削減して利益をねん出し、今後更に利益を生むであろう事業に再投資する。

ざっと上記の視点が求められますが、

経営資源の中で情報」だけが経営者自身の脳内の話となります。

情報処理能力は経営者にとって重要なスキルであり、必要な情報をインプットするために、自分に対する時間の投資が求められます。

この「時間の投資」が必要になることから、新米経営者が成功するために、長時間労働(寝ずに、幅広く情報収集し、整理する作業をしていくこと)が推奨されるのです。

また、投資の世界では、短期的な成功に囚われていては、いずれ先細ります。

ビジネスは、効果検証するのに半年や1年かかることがザラです。

そんな時でも焦らずどっしり構え、違和感があれば軌道修正しながら、長期的な成功を考えましょう。

面倒でも、緻密に計画を練って準備することを地道にひとつずつやっていく我慢強さが必要です。

近年では、総合商社が売買仲介型から事業投資型にビジネススキームを切り替え、強固な経営基盤を手に入れました。

現代ビジネス

三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅。多少でもビジネスに関係する日本人でこれら総合商社の名前を知らない人はほと…

前職でも、事業投資重視の経営戦略を目の当たりにしました。

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「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと、多種多様なインターネット関連事業を手がけるサイバーエージェント。 …

子会社をたくさんつくるかどうかは別として、経営者は自分のやること全てが投資だと思って事業運営すべきだと思っています。

余談ですが、人生を経営しているのは自分自身ですから、人生も自分に対する投資の連続だということを忘れないでください。

自由と責任は表裏一体

社長になると自由です。

すべての決裁権を持っています。

しかし、その責任もすべて自分が負わなければなりません。

会社が損をしたら、経営者は会社にお金を貸し付けし、減給もしくは無給奉仕をする可能性もあります。それでもうまくいかなくて、辞職で済めば御の字。

最悪、廃業・破産です。

会社の規模が大きくなればなるほど、扱う金額は大きくなりますが、規模が大きければ安心ということではありません。

むしろ失敗した際のダメージも大きいので、その双肩に重圧がかかります。

私も専務取締役時代は、自らの役割をしれっとこなせばよかったのですが、いざ代表権を持って全ての責任を負わなければならないという現実は、精神的に辛いものでした。

経営者にとって、最高の報酬は、充分な仕事と売上があることです。

精神が安定します笑

いずれ恐怖心も麻痺してきますが、危機感は常に持ち、一生懸命仕事に打ち込みましょう。

必然をつくるのが経営者の仕事

経営者の判断は常に完全勝利に繋がってないといけません。

「やってみなけりゃわからない」とか「とりあえずやってみよう」と言うのは、ただの無鉄砲。

なにかに取り組む際は、リスクは限りなく0に近づけます。

私だって、もちろん失敗から学んだことは沢山ありました。

ただ、絶対にいらない失敗でした。

「ここがダメだったから、今度はこうしよう」

と思っていたことが、当時読んでいた本にそのまま書いてあって、

「この仕事やる前にこの本読んでいたらアウトプット変わっていたなあ」

と悔しい思いをしました。

経営者にとって、「無知は罪」です。

リスクは、自分が何をやっているかわかっていない時に起こるものです。

事前に謙虚に学んでさえいれば大体のことは防げますから、確固たる自信が持てるまでリサーチすることは非常に重要です。

また、起業や新規事業など、新しいことを始める時に

「リスク取ったほうがいい」

とアドバイスする人がいます。

わたしは、「チャレンジはした方がいいけど、リスクは取らない方がいい。」と思っています。

正しくは、

チャンスはとりにいくけど、リスクは潰したほうがいい。

これで成功確度がぐんと上がります。

完璧であることに固執しない

前項の「完全勝利」という内容と矛盾するかもしれませんが、

経営者は、決して完璧な人間である必要はありません。

完全無欠であることは不可能ですし、完璧でない自分を許容できなくなれば、頑なに自らの過ちを認められなくなるリスクがあります。

私は社員に、

「私も完璧な人間じゃないし、全知全能じゃないからね」

と、伝えています。

これは社員に対しての免罪符となります。
この前提があると、社員のミスに叱咤しても角が立ちません。

人間は、「水が低きに流れるが如く」どうしても楽な方に流れてしまう生き物です。

大事なことは、それを認識したうえで軌道修正して、高い目標を目指して努力することです。

また、同じ人間だから分かり合えるだろうと思っていても、分かり合えない人もいます。

それぞれ育ってきた環境や価値観が違うので仕方ありません。

経営者だからといって、全員から好かれることも、全員を救う必要もないのです。

一般的な尺度を意識する

最後です。

経営者としての道を極め、ここまで記述してきたことが出来るようになると、もはや一般人とはかけ離れた感覚の持ち主になっています。

ここで忘れてはならないのは、他人には他人の道がある、ということです。

他者の道を理解して、許容しなければなりません。

自分の考えこそ至高であるとして、押し付けるのは間違った態度です。

俗にいう「大きな物語」などの一般的な尺度は、他人とコミュニケーションを取る中でとても役に立ちます。

お客様が求めている社長像と自分がなりたい社長像が違うこともあるでしょう。

それでも、お客様と相対する場合には、お客様の求めている尺度を考慮する必要があります。

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