若手経営者の戦略(20代編)

2015年、私が25歳の時の話です。

創業者である祖父が一時的に体調を崩し、

「これはやばい!早く後継者を連れ戻せ!」

ということになり、急遽「渋谷ではたらく広告マン」を辞めて埼玉に戻ることになりました。

ところが、私が戻るとすぐに祖父の体調がよくなりました。笑

後継者がいない不安とストレスで体調不良になっただけ?

私という駒を得てイキイキとしている祖父を見ると、そう思わずにはいられません・・・。

それはさておき、ここでは2015年(25歳)から2018年(29歳)までの4年間でやってきたことを備忘録としてまとめていきます。

※経営者としてやってきたことなので、個別案件については割愛します。下記の内容にさらに不動産取引や開発案件もこなしているとお考え下さい。
※SEO上、固有名詞は伏せています。

2015年「経営者のはじまり」

2015年4月、不動産建設事業の専務取締役として経営者キャリアをスタートします。私はまず、当社の継続的なお客様である不動産オーナーの方々に挨拶まわりをし、賃貸管理部門のテコ入れから着手することにしました。

✔ 空き家空き地の管理サービスを開始
✔ アパート管理業務の巡回清掃基準の明確化
✔ 賃貸管理パンフレット制作
✔ 不動産オーナー様向けサービスの充実(情報誌・セミナー・日帰りバス旅行)
✔ 空室対策費用の家賃天引き払いサービスを開始
✔ 相続診断サービス開始

また、前職での経験を活かして、コミュニケーション戦略を組みなおし、各サービス・ターゲットごとにサイトを分けて、WEB集客を強化していきました。

✔ コーポレートサイト新設
✔ 新築住宅サイト新設
✔ 物件紹介サイトリニューアル
✔ 不動産査定事業開始
✔ 検索連動型広告(リスティング)の費用対効果改善

社内的には、営業部のインセンティブルールを変更し、頑張った人がより報われる制度に変えていきました。また、固定費の見直しを行い、年間の販管費削減を実施しました。

✔ 営業目標から売上を除外
✔ 歩合制度を変更
✔ 印刷費・通信費・ネット関連料金の削減
✔ 空き地空き家対策の方向性を打ち出したが、自分が率先してやらなかったために、社員が動いてくれなかった。
✔ 私に業界知識や経験もない中で、社員が思うようについてこなかった。
✔ 「資産価値向上リフォーム構想」を実務レベルに落とし込めなかった。

2016年「ABC」

2015年(32期)を踏まえ、2016年(33期)のテーマを設定しました。

A 当たり前のことを
B 馬鹿になって
C ちゃんとやる

他社にあって自社にないものを減らし、自社にあって他社にないものを増やすという方向性を打ち出し、社員に競合他社を意識しながら仕事をしてもらいつつ、営業にとって武器となる会社案内やパンフレット類の刷新を行いました。

賃貸部門は、「地域シェアナンバーワン」を標榜し、自社管理物件中心ではなく、他社管理物件の仲介も強化。

それに合わせて他社管理物件も含めて入居者が好む物件を研究し、オーナー様への空室提案に活かすルールを構築しました。

また、営業部と管理部でいくつかの業務が重複していたため、業務分担と優先順位をはっきりさせ、業務効率化に繋げました。

また、できていなかった集客施策を網羅的に実行しました。

✔ 提案チェックシートの作成
✔ 原状回復時のバリューアップ提案の徹底
✔ プレゼンシートとCAD図面の強化
✔ 業務分担と優先順位の明確化
✔ 産廃料金・サーバー料金削減・全館LED化
✔ 資格取得補助制度創設
✔ 銀行や葬祭場とセミナーを共同開催
✔ 節税商品開発や不動産証券化事業の構想を開始
✔ 看板設置数大幅増

このころから介護老人保健施設の運営にも携わるようになります。

また、太陽光発電事業を始め、新規事業の立ち上げもいくつか行いました。

自ら出資して飲食事業・ヨガ事業・パーソナルトレーニング事業を行う会社を起業しました。

✔ 飲食店・ヨガスタジオ・パーソナルトレーニング等の立ち上げ
✔ 太陽光発電所事業開始
✔ 農業生産法人6次化商品販売用ECサイト制作
✔ 介護老人保健施設 運営
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地域のマラソン大会に協賛・参加しました。
業績も堅調で、特に賃貸部門は昨対比で利益150%増となりました。感謝。
また、個人的な活動で、母校のフリーペーパーサークルのWEBメディア化のディレクションをしました。
アリオーゾweb
✔ 士業との連携があまりできなかった。
✔ 優良リフォーム支援協会に入会したが、活用できずに退会した。
✔ 生活応援キャンペーン
✔ 行政との連携

2017年「地域最強ブランドへ」

2017年4月に、不動産事業における代表取締役となり、より地域内シェアを伸ばすため、ブランド力強化に乗り出しました。

当社の強みを再定義し、

「3つの立場から物事を見ることができ、ハード・ソフト共に実現可能な企業体」

であることをブランドコンセプトに置きました。

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2017年、新年一発目の大仕事として、百貨店さんと企画した福袋企画、「農ある暮らし住宅」の販売を日本橋で行いました。この取り組みはWBSでも取り上げられました。

店舗戦略を見直し、2カ所あった営業店舗を1カ所に集約してランニングコストを圧縮しながら、集客効果向上を図りました。

また、それに合わせた組織改編や、賃貸管理ソフトのリプレイスによる業務効率化、健康経営の推進などを行いました。

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✔ 店舗移転改装
✔ 組織改編
✔ 「すまいの相談窓口」ブランドへの統一
✔ ノベルティデザイン変更
✔ 駐車場割り付け変更整備
✔ 名刺管理ソフト導入
✔ 徽章新調
✔ 住生活モール構想の実現
✔ 営業部門の呼称変更
✔ 賃貸管理ソフトのリプレイス
✔ 健康経営の推進
✔ ハイブリッド人材の育成方針策定
✔ 回覧研修
✔ 無駄な慣習・業務委託見直し

店舗集約リニューアルをしたことで、年間215万円程度の経費を削減し、問い合わせ数も昨対比121%と伸ばすことができました。

集客施策として、新モデルハウス構想、VR内見サービス開始、司法書士さんとセミナーを共催しました。

また、機能していなかった自社メディア事業を刷新し、より地域に特化した情報発信と広告枠の提供をしていくように方向転換しました。

私自身へのメディア取材も積極的に受けていきました。

✔ 新モデルハウス構想
✔ VR内見サービス
✔ 家族信託セミナー
✔ 季刊誌コンセプトチェンジ
✔ ふじはうなう(ネイティブ広告)
✔ 週刊ダイヤモンド取材
✔ WEBCM配信

私のトップ営業により大プロジェクトを受注し、営業部に実力を認めてもらうことができました。サラリーマン時代の営業経験が生きた瞬間でした。

私は、代表取締役就任初年度から、過去最高売上最高利益(34期中)を達成することができました。

✔ 賃貸管理ソフトのデータ入力が想定以上に時間がかかった
✔ 節税商品や不動産証券化事業の実現ができなかった。
✔ 自社サイト会員の契約率アップができなかった

2018年「CHANGE OR DIE」

2018年(35期)は、新組織として期初から始動する初めての年でした。

前年度が業績好調で浮かれている社内を引き締めるために、2011年ファーストリテイリング社で柳井社長が打ち出したものと同じ、「CHANGE OR DIE(チェンジオアダイ)」というメッセージを打ち出しました。

2010年度のユニクロも当社と同じく過去最高の営業利益をたたき出していたわけですが、そのタイミングでここまで強烈なスローガンを打ち出した柳井さんの経営哲学に感銘を受けました。

ぼくは常日頃から会社というのは、何も努力せず、危機感を持たずに放っておいたらつぶれる、と考えている。

「安定志向、現状維持、マニュアル人間、サラリーマンへの安住」は「悪」であり、「革新性、挑戦、新たな価値の創造、前進し続けること」は「善」である。

柳井正

組織が変化している事実を受けいれ、新体制を機能させて結果を出すためにそれぞれが役割を変化させていくこと。お客様の時代のニーズに対応し、競合に勝ち続けていくための能力向上、仕組みづくりをしていくこと。

それぞれが「行動」を変えて、「結果」を変えることを強烈に求めていきました。

このあたりから広告効果の悪化を感じ始め、広告とコンテンツの使い分けを始めます。

広告コンテンツ
即効性は高いが、
投資を辞めてしまえば効果が失われる
一度作れば、
長期にわたって効果を発揮する
「必要だがコスト」
「短距離型」
「長期積立資産」
「マラソン型」
ポスティング、折込、ディスプレイ広告、リスティング広告、動画広告、ポータルサイト雑誌掲載、機関誌発行、セミナー(ノウハウ)、専門サイト、自社メディア、店舗づくり、サービス拡充、カタログパンフレット

地域情報を発信するメディアを立ち上げ、コンテンツマーケティングを本格的に始動していきます。同時に、AIを活用した不動産査定サービスを開始します。

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物件提案ロボ

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財務戦略を練り直し、無担保無保証での借り入れを億単位でできるよう、銀行さんに交渉を行っていきました。

マーケティングの全体像や、事業領域の拡大を考えることができるようになりました。

✔ 無担保無保証借入枠開始
✔ 自家用車・社用車の運用ルール見直し
✔ 電話機入れ替え
✔ 接客スペースリニューアル
✔ 法人カード導入
✔ 社外研修派遣

マーケティングの全体像を考える(記事化予定)

4月には、本社所在地にて市長・市議会議員同時選挙があり、市長候補(新人)と市議会議員候補(新人)の選挙を手伝うことになりました。

広告物のアドバイザーとして、電話調査から名刺・チラシ・ポスターなどの広告物のデザイン、キャッチコピー、ライティング、メディアへの露出など、いわゆる空中戦を中心にお手伝いしました。

結果、新市長は、6期連続の現職(超強敵)を倒しての当選!
市議会議員選挙も、27名中2位(新人では、唯一)当選!

こんな若造の意見を取り入れてくれた両陣営の懐の広さに感謝。

個人的にも非常にいい経験ができました。

地方選挙において重要なことは何か(記事化予定)

投票率をアップさせるために、飲食事業では、投票したら割引するサービスを実施してみました。また、中古住宅再生事業において「スケルトン販売」という新たな取り組みについて、雑誌取材がありました。

秋ごろには、懇意にしていた整体の先生と、カイロプラクティックの事業を立ち上げたり、飲食事業で、ラー油蕎麦店を開業しました。

さらに、社会福祉法人の理事に就任したり、学校法人の運営に携わっていきます。

✔ カイロプラクティック事業立ち上げ
✔ 蕎麦屋開業
✔ 社会福祉法人 理事就任
✔ 学校法人 理事長代理
久喜市の姿勢矯正専門整体院

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らぁ蕎麦 くろふね|そば

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また、この年は最高売上を更新し、利益も十分に確保できたことから、行政に1,000万円の寄付を行いました。

「不動産建設業は、まちづくりを担う存在である」という自負を持って、4年間経営推進してきました。

その中で、これからは市場の奪い合いではなく、市場を広げる、といった視点が必要なのではないかと思い至り、寄付を実行した次第です。

もちろん最高レベルの不動産サービスも同時に目指します。これからも地域に貢献し、長く応援される企業体を目指していきます!

その時のインタビューより抜粋

20代の締めくくりにはふさわしかったな、と思っています。

✔ 不動産事業以外の物事に時間を使いすぎてしまった。
✔ 問い合わせ数は増えたが、決定率が低下してしまった。
✔ 賃貸管理ソフトの導入が道半ば
✔ 新モデルハウスの計画に遅れ
✔ 自社投資物件の収益計画にズレが生じてしまった。
✔ 施工見積もりが甘く、赤字案件がでてしまった。

不動産部門に関しては、ここ4年間で、私のやり方が気にいらない社員、約6割が入れ替わり、私が引き継ぐ前とまったく別の会社になってしまいましたが、結果として、お客様に対していいサービスを提供できる組織になっていきました。

20代は「生き急いでいる」と周囲に言われるくらい、やりきりました。

その反動で、30歳を迎えて燃え尽き症候群になってしまったのは、また別のお話。笑

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