私は、2020年4月29日から5月13日までの2週間、急性膵炎で入院しました。
両手に点滴は、結構痛々しいですね。
私の場合は軽度だったので割とすぐに退院できたのですが、芸能人もなっている結構怖い病気だったりします。
あたし、河本準一35歳という若さで膵臓を壊しました死ぬかもという恐怖を味わいましたそれから、3年が経ちお医者さんから少し…
この経験から考えさせられたことや、わかったことをまとめたので、私と同じ轍を踏まないように参考にしていただければ幸いです。
急性膵炎の原因
アルコールの採り過ぎ
毎日お酒を飲んでいたり、アルコール度数の高いお酒を一気飲みしたりしている方は要注意です。
アルコールを過分に処理するために、膵臓が分解酵素を過剰分泌して膵機能がオーバーフローします。
胆石が詰まる
胆嚢に胆石ができてしまって、それが詰まることで膵機能がおかしくなって痛みが出るケースです。
私の斜め前のベッドにいた患者さんは胆嚢摘出手術をすることになっていました。
原因はコレステロールの採り過ぎであることが多いようです。
運動不足と脂質代謝異常
私の場合はこれです。
・脂質代謝異常(脂質の採り過ぎ)によって膵臓への負荷が大きくなる。
・運動不足によって筋肉の糖代謝力が低下し、インスリンが過剰分泌されて膵臓に負荷がかかる。
・仕事とかのストレス
というトリプルパンチらしいです。
管理栄養士さんからのアドバイス
退院時に管理栄養士さんに言われたのは、
「アルコールと脂質摂取は控えめにして、運動をこまめにしましょう!」
ということです。
例えば、ハイボール薄めを頼んだり、飲酒は週2日くらい、飲む日でもアルコールは1日、3~4杯くらいにしておく。(濃いめはダメ・毎日はダメ・飲みすぎはダメ)
肉を控えて、魚中心の食事に切り替えるように、と指示されました。
あと衝撃だったのが、
「ファミチキは食うな」
でした。もちろんナナチキ、Lチキもだめですよ笑
私、仕事帰りによく買って食べてたのですが、
「揚げ物は控えてね」ということです。
急性膵炎の前兆や症状
直近の健康診断の数値
急性膵炎になった1年前の数値ですが、参考にしてください。
γGTP:112(基準値79以下)
ALT(GPT):52(基準値39以下)
LDLコレステロール:151(基準値139以下)
引っかかっていたのは上記の3つ。
べらぼうに高い数値はないのですが、「肝機能と脂質代謝がちょっと気になるな・・・」といった感じでした。一応、日ごろから炭水化物(米とパン)はあまり食べないようにしていました。
急性膵炎の症状
一般的には左腹部から背中にかけて、耐えがたい差し込むような痛みを生じるようです。
私の場合は軽度だったので、左腹部が重い感じがするのと、軽い鈍痛があり、お通じの問題かと思いトイレに行っても改善せず、2日ほど痛みが続きました。
2日経つと、一歩一歩、歩くごとに左腹部に響くような痛みがあり、左の背中と腰の中間(膵臓があるあたり)をトントンと強めに叩くと痛みが響く感じでした。
「これは今までに味わったことのない症状だぞ・・・」
と思い、すぐに病院に行ったところ、そのまま緊急入院となりました。
膵炎は放っておくとどんどん症状が悪化するので、上記の症状があったらすぐに病院に行かないと手遅れになります。仕事は休んででも病院に行きましょう(切実)
入院して分かったダイエットの現実
入院するとどのくらい痩せるのか
急性膵炎の劇的な治療法は確立されておらず、基本は膵臓を休ませる、ということになります。
なので、まず最初の一週間は絶飲絶食。
水も飲んではいけません。(げっそり)
点滴のみで栄養補給します。意外なことにのどは乾かないし、お腹も減りません。
点滴すごい。
ちなみにページトップ写真のとおり、両腕に点滴が刺さっていると思います。
膵炎の原因は、オートファージ的に膵臓が自分で自分を溶かしてしまうことらしく、片方は栄養補給、片方はたんぱく分解酵素阻害薬を点滴で入れています。
一週間の絶飲絶食ののち、腹痛が収まってきたら、「水は軽く飲んでいいよ」と言われ、その後、回復食となりました。
見てもらうとわかる通り、重湯と野菜とお魚がメイン。
そしておかゆを経て、通常食へ移行しました。
さて、本題です。
1週間の絶飲絶食と1週間の病院食生活、計2週間を経て、何キロ痩せたでしょう。
答えは72kg⇒68.5kg---3.5kg痩せました。
顎周りとお腹周りがスッキリして、家族や友人にも「痩せたね~」と言われます。
ですが、この経験で私は気づいてしまいました。
「これだけ食事制限しても3.5kgしか痩せないんだ・・・」
いままで炭水化物抜いたり、自分なりに食べる量減らしたり、ダイエットサプリを飲んだりしてましたが、「その程度の食事制限ではどうりで痩せないわけだ。」って感じでした。
もう一度ご覧ください。
これが管理栄養士さんが監修している、1食分の量です。
いままで自分が「減らしているつもりでも」これより食事量の多い方は、ダイエットになっていないということです。笑
ダイエットサプリは痩せない!
ネット上では、ダイエットサプリが大量に広告を打って「ドバドバ便が出る」だの「痩せすぎ注意」だの煽っていますが、絶飲絶食してもこれしか痩せないのだから、サプリで簡単に痩せないことは容易にわかりますよね。
HMB、コンブチャ、フォースコリー、αリポ酸、チャコールクレンズetc、、、
食事は普通にしてて、上記のサプリだけで3kg痩せたとしたら、もうそれは内臓イカれてます。
病院に行きましょう。
体質やもともとの体重にもよると思いますが、1週間の絶飲絶食と1週間の病院食(寝たきりなので、運動は一切なし)で3.5kgしか痩せないということは、一つの基準になりうると思います。
健康に痩せるために考えるべきこと
病気きっかけとはいえせっかく痩せたので、退院してからリバウンドしないようにしたかったのと、健康的に生活したいこともあって色々調べてみました。
食事制限・糖質制限はどの程度やればいいのか
まず、一般人の糖質摂取量は1日200~300gだそうです。
体に変調が起きないよう安全に食事制限をする場合、糖尿病患者が行う糖質制限が参考になります。
糖質摂取量を100~130gに抑えつつ、低GI食が推奨されるそうです。(バーンスタイン式というらしいです。)
ご飯1杯が50g 食パン1枚が25g
甘いものでは、ショートケーキ1個30g、シュークリーム1個が20g、アイスクリームが20-30gとされます。
飲み物で言えば、牛乳200ccで11g、ビール350ccで13g、カフェラテ350ccで15g、オレンジジュース200ccで26g、栄養ドリンク250ccで28g、甘いアイスティー350ccで32g、コーラ350ccで39g。
スターバックスのフラペチーノ350ccで50gだそうです。
いかがでしょう。
100g以下に抑えようとすると、結構しんどいのが分かると思います。ちょっと気を抜いただけで即ゲームオーバーです。笑
私で言うと、米とパンは控えていたのですが、コーヒー飲料やアイスやシュークリームを食べていたので、全然アウトでした。
さらに、ちゃんとした糖質制限は、ケトン体消費が起きるギリギリを狙うので、1日の糖質量を40~60gくらいに抑えなければならないようです。
糖質断ち!くらいの覚悟がないと無理ですね。
このレベルの糖質断ちをすると間違いなく痩せるようですが、専門家でも「過度の糖質制限は危険」と訴える方もいるように賛否両論があります。
特に「糖質制限さえすれば、肉はいくらでも食べていい!」みたいなダイエット法がありますが、これは腎臓や膵臓に負荷がかかって体を壊す可能性がありそうです。
中途半端な糖質カットしかせずに、肉と脂質を大量摂取すれば、逆効果になりかねません。
私は管理栄養士さんに、
「肉の食べ過ぎは脂質とコレステロールの過多になりやすいので、食べるなら鳥の胸肉か魚にしてください」
と言われ、忠実に守っています。笑
糖質を限りなくゼロにして、肉やブロッコリーばかりの食事をしていても、ダイエット期間が終わった途端に我慢していた炭水化物をドカ食いすれば、一気にリバウンドしてしまいます。
ダイエットは継続できることが大事ですし、バーンスタイン式でも健康的に痩せられるようなので、リスクを伴う糖質制限をやる必要はないと思います。
健康にダイエットするための食事
私の場合、入院して胃が小さくなったのか、食べる量も減りましたし、「適正な量はこの程度でいいんだ」(上記病院食写真参照)とわかったので、特に食べる量と食べるものに気を遣っています。
※下記のものしか食べてないってわけではないです。意識して食べたり置き換えたりしている程度です。
豆腐
冷ややっこにしたり、もずくや海藻と食べたり。
ご飯の代わりにもなります。カレー、パスタソース、納豆、卵などをかけたり、チーズをのっけてグラタン風にしたり。
1丁丸ごと食べるなら、白米ご飯よりおなかが膨れるし腹持ちも良いです。
無理のない範囲で、豆腐が食卓に並ぶ回数を増やしてみてください。
こんにゃく麺
『おから入り0麺(紀文)』がおすすめです。
やわらかいので、冷凍してから食べると、蕎麦っぽくなります。
そうめん風はからまりやすいのでうどん風のほうがいいですね。
ほとんどが水分の生野菜より、こういった低GI食の方が食物繊維摂取量が増えるので便秘になりにくいようです。
『月のうさぎ(ヨコオ)』は感触がこんにゃく過ぎて、私はだめでした。
ささみとブロッコリー
言わずと知れたボディビルダーの定番食材。
上級者はブロッコリーをカレーなどのライスの代用として使うようです。笑
私は、チーズを載せてグラタン風にするのが好みです。
たくさん食べても問題ないので、主食の置き換えにできますね。
糖質ゼロのゼリー類
やっぱり甘いものは食べたいので。
「マルハニチロ」や「たらみ」から出ています!
エリスリトールについては、人間には消化できないし、インスリンも出ないらしいので0g扱い。
ゼロカロリーきなこわらびもち(遠藤製餡)も、同じく蒟蒻とエリスリトールメインでおすすめ!
四角い容器に入った寒天ゼリーはあまりおいしくないですね・・・。
飲み物
飲み物は水かお茶。基本ジュースは飲みません。午後ティーは無糖や微糖がお気に入り。ビールは避けてハイボールメイン。
また膵炎になるのが怖いので、お酒も薄めでオーダーしたりしてます。
脂っこい料理や炭水化物(糖質)は基本避ける
揚げ物・カルビ・チャーハン・ラーメン・うどん・食パン・菓子パン・中華料理・スイーツなどはあまり食べないようにしてます。というより、最近身体がこれらを欲していません。
無理して続かなくなるのも本末転倒なので、禁止にはしていません。
意識的に避ける感じです。
うどんは腹持ちが悪く、間食を欲してしまうのと、血糖値が急上昇・急低下して糖尿病になりやすいと言われているので避けます。
※うどんで有名な香川県は、糖尿病患者率全国ワーストです。
「うどん県」で売り出し中の香川は、一方で「糖尿病ワースト県」という不名誉な顔もある。うどんの摂取量の多さが関係するかど…
食パンもドン引きするくらいの高GI食品となります。
全粒粉パンがコンビニでも買えるようになってきているので、置き換えます。腹持ちがよくなり、間食したい気持ちが減退します。
糖質が主成分ではないビーフジャーキーは家飲み用のおつまみに最適らしいです。
また、調味料に入っている糖質や果物に入っている果糖などを考え始めたらキリがないので、そこまでは気にしないようにしています。
運動習慣について
食事制限だけしてても、筋力が衰えて姿勢が悪くなり、健康的とは言えません。
適度な筋トレ(腕立て、腹筋、スクワット)は1日5分でもいいのでやったほうがいいでしょう。ここらへんは詳しくないので、googleで検索したらいくらでも情報出てくると思います。
私は、週に3回30-60分のジョギングを始めました。
プロランナーの方に付き合ってもらっているのですが、コツは「ペースはいくら遅くてもいいので、距離ではなく時間で走ること」だそうです。
早く走ろうとすると、バテますから「走ることはしんどいこと」だという意識づけになってしまい、継続できないとのこと。
私はジョギングを始めてから、明らかに体脂肪が落ちてきました。
身体が「走れる身体」に最適化されるということらしいです。
2022年2月追記 急性膵炎の予後
その後約2年経ちますが、元気に生き延びています。
ただ、上記に書いてあるような食事習慣や運動習慣が継続できるはずもなく(笑)
気を抜いて食べ過ぎたりすると体調不良に陥るようになりました。
3カ月に1回程度、お腹が重い感じがします。
特にピザが地雷となっており、脂肪の分解能力が落ちているようです。胃薬のリパーゼがよく効きます。
ランニングは週1回程度で継続出来ており、有酸素運動への意識は高くなりました。
2021年12月にはマラソン大会に参加し、10キロ55分で完走しました。
どのように病気を予防していくか
今回、入院して健康について考える機会があったわけですが、
「そもそも現代人は食べ過ぎなのではないか」
と感じました。管理栄養士さん監修の病院食については先ほど写真でお示ししたとおりです。
世の中では、各食品会社が売上を上げるためにあの手この手を使って、消費者に食品を食べさせようとしている、という現実があります。
退院時、管理栄養士さんに
「ベーコンなどの加工肉やポテトチップスなどは極力食べないでください。」
と言われたのですが、
「じゃあなんでそんなもの売ってんだよ」
と思ってしまいました。食料が商業化している中で、体を蝕むようなものでも、直接的に毒でなければ、今さら規制できないものが沢山あるのかもしれません。
それにうまく乗せられてオーバーカロリーになって、病気になっている人がたくさんいるのではないでしょうか。
古来、人間は自分で木の実を採取したり、動物を狩りに行ったり、畑を耕したり、食べ物を得るために自然と身体を動かしていました。
それが現在では、デスクワーカーが増え、デスクの前でパソコンをいじっているだけでお金がもらえ、食べ物にありつけます。
圧倒的な運動不足が発生しているわけです。この状況は生物として異常なのかもしれません。
ダイエットするしないに関わらず、私のように病気にならないよう、食べる量や質に関して、自分なりに考えて自己防衛していきましょう。